平和で穏やかな時間が流れる島「雉飼島」に傷ついた4人の武士が流れ着いた。
島長である平居家、その長女にあたる「水魚」に発見され、なんとか命を取り留めた四人だったが、その内の一人「高木勘兵」は島に伝わる劔冑の話を聞くと、殊勝な態度から一変した。
どうしても新しい劔冑が欲しいのだ」
逆らえば島民を皆殺しにする、と刀を突きつけて脅し、平居家次女「海魚」に劔冑の元まで案内させた勘兵は、なおも抵抗する平居家家長の「玄造」を切り捨ててその劔冑を装甲する。
数多の人の血を我が身に注げ」

かくして、島に封印されていた災いを招く劔冑「天目一箇命草薙」が解放され、雉飼島は地獄と化した。
島民は次々と虐殺され、遂に水魚もその魔手に捕らわれてしまう。
私の命と引きかえでいいから…この鬼を……
殺してェっ!!」
その刹那、水魚の目前に血のように紅い「鬼」が現れた。
全身に血糊を浴びたような禍々しい輝きを纏った真紅の劔冑。
村正――狂った鬼。
高木勘兵はその劔冑をそう呼んだ。












