かつて未決囚〇四八号と呼ばれ、大戦敗戦後の大和にさらなる混乱を
もたらした“銀星号事件”を一人収めた男、“湊斗景明”。
“善悪相殺”という絶対的な信念を持ち、別け隔てなく依頼によって
人を殺める存在である彼は、とある茶屋で人を待っていた。
善悪相殺の信念──敵を殺す力を欲する者に対して、
その力を提供する代償として、その者の命を断つ──を承知した上で、
依頼をしてきた者がいたのだ。
しかし、なかなか依頼人は現れない。
そんな時、突如地響きと共に奇怪な渦雲が上空に発生し、
その渦の中心から“劒冑を纏った武者”が流星の如く出現する。
それは景明を魔界へと誘う、最初の雷鎚であった。
──これは英雄の物語ではない。
武を布く悪鬼の物語である。


















